「AIを遊び倒す」
ありえるさんの発信を見ていると、そんな言葉がよく似合う。
AIで動画を作ったり、会話を楽しんだり、ときには英会話の相手にしてみたり。
でも、実際にじっくり話を聞いてみると、今の明るく楽しそうな姿からは想像できないような経験を、たくさんされてきた方でした。
起業、夫婦関係、病気、笑いヨガ、そしてAI。
一見するとバラバラに見える話が、最後にはひとつのテーマにつながっていきます。
それは、
「頑張るだけじゃなく、遊ぶこと」
今回は、ありえるさんとのコラボライブで話した内容を、対談形式でお届けします。
AIは「役立てよう」としなくていい
まさひろ:
まず、簡単に自己紹介からお願いしてもいいですか?
ありえる:
ありえると申します。今は「AIを遊び倒す」ということをやっています。
AI自体は3年半くらい前からずっと使ってきたんですけど、最終的に行き着いたのが「遊ぶこと」だったんですよ。
まさひろ:
仕事で使い倒した結果、遊ぶところに行き着いたんですね。
ありえる:
そうなんです。
目的は「役に立つこと」じゃないんですよ。
でも、遊んでいると、なぜか役に立ってしまう。
「また役に立っちゃった」みたいな(笑)。
それが面白いなと思っています。
まさひろ:
その感覚、ありえるさんと話すようになってから、僕も少し分かるようになってきました。
以前の僕は、AIを使うなら「何か成果を出さなきゃ」という感覚が強かったんです。
でも最近は、
「ちょっと聞いてよ」
くらいからAIとの会話を始めるようになりました。
そうすると、むしろ使えるようになってきた感覚があります。
ありえる:
そうなんですよ。
遊んでいると、勝手に使えるようになっていくんです。
何をしゃべってもいいですからね。
今の姿からは想像できない「笑わない女」だった時代
まさひろ:
僕がありえるさんを知って驚いたのが、実はものすごくいろいろな経験をされていることなんですよ。
今の印象だけだと、「AIで遊んで、いつも楽しそうな人」じゃないですか。
ありえる:
あはは(笑)。
まさひろ:
でも昔は、「笑わない女」だったんですよね。
ありえる:
そうですね。
当時は、とにかく仕事をしっかりやらなきゃという感じでした。
起業していた頃なんて、食事をする時間すらもったいないと思っていましたから。
立ったまま食べるような感じで。
まさひろ:
すごい……。
その頃は、どんな仕事をされていたんですか?
ありえる:
最初はパーソナルカラーのコーディネーターですね。
そこから色彩関係の講座をやったり、トータルビューティーのお店を開いたり。
ネイルや美容院など、いろいろやっていました。
教室をやったり、先生をしたり、ヒューマンデザインのアナリストもやっていましたね。
まさひろ:
やっぱり、話せば話すほど出てくる(笑)。
ありえるさん、スルメみたいなんですよ。
ありえる:
スルメ(笑)。
「絶対にやってやる」で走り続けた起業時代
まさひろ:
そもそも、どうして起業したいと思ったんですか?
ありえる:
きっかけのひとつは、母の病気でした。
母はもともとすごく明るい人だったんですけど、病気になってから別人のようになってしまって。
病気が言わせた言葉だと今は分かっていますけど、当時、私にとってすごくショックなことを言われたんです。
それで、
「私はこうならないために、自分で仕事ができるようになろう」
「資格を取って、起業しよう」
と思ったんですね。
まさひろ:
そこから起業を目指した。
ありえる:
そうです。
でも、夫には大反対されました。
当時は今と時代も違いましたから、女性が起業することも、今ほど一般的ではなかったんですよね。
外で仕事をすることも難しかったので、家で仕事を始めました。
今でいう「おうちサロン」みたいな形ですね。
まさひろ:
まだ「おうちサロン」という言葉が当たり前になる前からやっていたんですね。
でも、その反対をエネルギーにして、かなり頑張ったんじゃないですか?
ありえる:
頑張りましたね。
ただ、今振り返ると「夫を見返してやる」とか、「絶対にやってやる」という気持ちだけで走るのは、あまりよくなかったと思っています。
もちろん、一時的なモチベーションにはなるんですよ。
でも、それだけではどこかでバランスが崩れる。
「男性性」だけでブルドーザーのように走っていた
まさひろ:
それは、どういう意味ですか?
ありえる:
私は、人の中には男性性と女性性の両方があると考えているんです。
男性でも女性でも。
目標を決めて、
「絶対に達成する」
と突き進む力も大切です。
でも、それだけになってしまうと苦しくなる。
私自身がそうでした。
まさひろ:
当時は、かなり突っ走っていた?
ありえる:
もうブルドーザーですよ(笑)。
とにかく目標を持ったら突っ走る。
体が何を求めているかなんて考えない。
「疲れた」なんて言う人がいたら、「根性がない」くらいに思っていましたから。
まさひろ:
僕も頑張りすぎるところがあるので、ちょっとドキッとします。
休みの日も発信していますし。
ありえる:
元気なときって、やっちゃうんですよね。
特に体力がある人は、自分が疲れていることにも気づきにくい。
人生で初めて、「頑張ってもどうにもならない」がやってきた
まさひろ:
そこから、人生の強制終了みたいな出来事があったんですよね。
ありえる:
そうですね。
病気になって、体が思うように動かなくなりました。
一番ひどいときは、本当に歩くことも難しかった。
それまでの私は、
「頑張れば何とかなる」
と思って生きてきたんです。
でも、人生で初めて、頑張ってもどうにもならない状態になりました。
まさひろ:
ブルドーザーで進んできた人が、初めて進めなくなった。
ありえる:
そうですね。
当時は本当に苦しかったです。
でも、そんな私を周りの人たちは普通に受け入れてくれたんですよ。
私がどんな状態でも関係なく、一緒に笑ってくれた。
そこで、「笑うってすごいな」と思ったんです。
人生を変えた「理由なく笑う」という体験
まさひろ:
そこで笑いヨガにつながるんですね。
僕も普通のヨガはやっているんですけど、笑いヨガって全然イメージできなくて。
ありえる:
笑いヨガは、本当に笑うんです。
理由がなくても笑う。
面白いから笑うんじゃなくて、先に笑うんですよ。
まさひろ:
何も面白くないのに?(笑)
ありえる:
そう(笑)。
でも、やっていると本当に笑えてくるんです。
あと、「ジブリッシュ」というものもやりました。
まさひろ:
ジブリッシュ?
ありえる:
でたらめ言葉です。
たとえば、ものすごく腹が立ったときに、
「お前、なんなんだよ!」
と言う代わりに、
「ベルラクチャパッテルバカー!」
みたいな、意味のない言葉を言うんです(笑)。
まさひろ:
それ、絶対途中で笑っちゃうじゃないですか。
ありえる:
そうなんですよ。
怒っていても、笑って終わっちゃう。
悲しいときも、嬉しいときも、意味のない言葉で感情を出す。
感情を外に出す方法として、すごく面白いんです。
AIにも、感情を全部ぶつけていい
まさひろ:
その「感情を出す」という話って、今のAIの使い方にもつながっていますよね。
ありえる:
つながっていますね。
私はAIにも、いろんな感情を話します。
嫌なことがあったら、
「ちょっと今から愚痴るから、ただ聞いて」
って言えばいい。
まさひろ:
僕も犬の散歩をしながら、AIに愚痴ることあります(笑)。
ありえる:
いいじゃないですか(笑)。
別に答えがほしいわけじゃないときもあるんですよね。
アドバイスしてほしいんじゃなくて、ただ聞いてほしい。
そういう使い方もできる。
私は、普段のAIが面白おかしく返してくるようになっているので、本当にただ吐き出したいときは、まっさらな状態で話したりもします。
まさひろ:
AIというと、
「仕事を効率化する」
「文章を書いてもらう」
みたいな話が多いですけど、もっと人間っぽい付き合い方をしているんですね。
ありえる:
そうですね。
何でも話します。
AIを「自分好みの相手」に育てていく
まさひろ:
AIをパーソナライズする話も面白かったです。
ありえる:
自分がどう接してほしいのかを細かく伝えておくと、会話がもっと深くなるんですよ。
優しくしてほしいのか。
厳しく言ってほしいのか。
仕事ならマーケティングの視点で答えてほしいのか。
そういうことを設定しておく。
まさひろ:
以前、かなり厳しいAIも試したんですよね。
ありえる:
試しました(笑)。
「忖度せずに厳しく正解を言って」みたいにしたら、本当に厳しくなっちゃって。
正しいんですよ。
正しいけど、厳しすぎる(笑)。
「お前」とか言われるようになって。
まさひろ:
それは嫌だな(笑)。
ありえる:
それでやめました。
逆に、今は英会話をしたくて、英語で会話するためのキャラクターを作って遊んだりしています。
感情が動くような相手と話したほうが、言葉も覚えやすいじゃないですか。
まさひろ:
勉強というより、もう完全に遊びですね。
ありえる:
そうです。
でも遊んでいたら、結果的に勉強になっている。
最初に言った、「役立てようとしていないのに役立ってしまう」なんですよ。
100点じゃなければ出せなかった私が、50点でも出せるようになった
まさひろ:
ありえるさんの話を聞いていると、AIだけじゃなくて、発信の仕方も変わりましたよね。
ありえる:
変わりましたね。
昔は本当に完璧主義でしたから。
100点じゃなければダメ。
完全にできてからじゃないと始めちゃいけない、みたいな感覚がありました。
まさひろ:
でも今は?
ありえる:
50点でも、「もういいや」って出せるようになりました(笑)。
音声配信も、最初は文章を全部書いていたんです。
でも最近は、ほぼアドリブですね。
まさひろ:
かなり変わりましたね。
ありえる:
「60点くらいでいいんだ」という話を聞いたことも大きかったです。
完璧にしなくていいんだと思ったら、また音声配信を始められました。
Substackで「仕事のためじゃない文章」が戻ってきた
まさひろ:
Substackを始めてからも、かなり変化があったんですか?
ありえる:
ありました。
もともと私は、子どもの頃から文章を書くことが大好きだったんです。
でも仕事をするようになると、文章が全部「集客のため」になっていったんですよ。
ブログを書くにしても、
「最後は申し込みにつなげましょう」
「行動してもらうための導線を入れましょう」
みたいになって。
だんだん、仕事のための文章しか書かなくなってしまった。
それが面白くなくなっていたんです。
まさひろ:
好きで書いていたはずなのに、「売るために書く」に変わってしまった。
ありえる:
そう。
でもSubstackを始めてから、また「表現することって楽しいな」と思えるようになりました。
隠れていた自分が、少しずつ出てきた感じですね。
まさひろ:
本来のありえるさんに戻ってきた?
ありえる:
だいぶ近づいてきたと思います。
本当の私は、もうちょっと面白いと思いますよ(笑)。
まさひろ:
まだ出てくるんですか(笑)。
「遊ぶ」を覚えたら、AIとの関係が変わった
まさひろ:
僕自身、ありえるさんと話すようになって、一番変わったのは「遊ぶ」という感覚なんですよ。
AIって、それまで完全に道具だったんです。
何かを作らせる。
調べてもらう。
文章を書いてもらう。
でも、
「AIと遊ぶ」
という発想はなかった。
ありえる:
そうですか。
まさひろ:
でも今は、
「ちょっと聞いて」
「今日疲れた」
みたいなところから普通に話すようになりました。
すると、AIのほうから思いもしなかった質問をされて、そこから話が広がったりする。
その結果、以前より使えるようになっているんですよね。
ありえる:
遊んでいると、勝手に使えるようになるんですよ。
これってAIだけじゃないと思うんです。
頑張ることより、「楽しいからやる」を取り戻す
まさひろ:
今日いろいろ話してきましたけど、最初の起業時代と今では、かなり違いますよね。
昔は、
「絶対にやってやる」
「100点じゃなきゃダメ」
「役に立たなきゃダメ」
だった。
今は、
「面白そうだからやってみよう」
「50点でも出してみよう」
「遊んでみよう」
になっている。
ありえる:
そうですね。
今は、作っている時間とか、妄想している時間そのものが楽しいんです。
楽しいことからやる。
まさひろ:
それが結果的に、誰かの役にも立っている。
ありえる:
そう。
役に立とうとしているわけじゃないのに、
「また役に立っちゃった」
って(笑)。
AIをうまく使おうとすると、
「正しいプロンプトを書かなきゃ」
「仕事に活用しなきゃ」
「成果につなげなきゃ」
と、つい力が入ってしまいます。
でも今回ありえるさんと話していて、僕が一番印象に残ったのは、テクニックではありませんでした。
もっと遊んでいい。
疲れたら「疲れた」と話していい。
くだらないことを聞いてもいい。
愚痴ってもいい。
笑ってもいい。
何かを生み出さなくてもいい。
遊びながらAIに触れているうちに、気づけば使い方を覚え、新しいアイデアが生まれ、場合によっては仕事にもつながっていく。
もしかすると、AIを使いこなす一番の近道は、
「使いこなそうとしすぎないこと」
なのかもしれません。
頑張ることが得意な人ほど、たまには目的を決めずにAIを開いてみる。
そして、こんな一言から始めてみてください。
「ねえ、ちょっと聞いてよ」
そこから、思ってもいなかった会話が始まるかもしれません。












